ATOS21

イベント情報

第22回AT研究会オープンアカデミックセッション(ATOS22)

日時:2019年5月13日(月)13:00〜15:00
会場:東京大学情報基盤センター4F遠隔会議室(12:30開場)

講演1. 13:00~13:50

題目: 尾崎スキームに基づく高精度かつ再現性のあるBLASルーチンの実装と自動チューニングの適用

講演者:椋木大地(理化学研究所)

概要:

浮動小数点演算には丸め誤差による精度の低下があるだけでなく、結合法則が成り立たないため計算順序によって結果が丸め誤差レベルで異なることがあり、並列数など計算環境が異なる環境間では計算結果の再現性が保証されないという問題がある。これらの問題は、大規模計算の品質保証やコード開発において障壁となりうるため、これらの問題にアプローチする各種の計算手法やライブラリの開発が行われている。尾崎らによって提案されたLevel-3 BLASに基づく高精度行列積計算法(尾崎スキーム)は、内積ベースの計算において計算結果を高精度化できるだけでなく、再現性も保証することができる。本研究では尾崎スキームを用いたLevel-1から3までのBLASルーチン群の高性能実装を紹介し、高速化のための自動チューニングおよびタスクベースプログラミングモデルの適用可能性について説明する。

講演2. 14:00~14:50

題目:階層的低ランク近似法の最新研究動向と応用例

講演者:横田理央(東京工業大学)

概要:

H行列、HSS、HODLR、HIFなどの階層的低ランク近似法は密行列の行列積やLU分解、QR分解をO(NlogN)の計算量に低減することができ、最近の混合精度演算向けハードウェアとも相性が良い。低ランク近似の精度は可変であるため、低精度側に倒すと前処理法として様々な反復解法の収束性を高めることができ、高精度側に倒すとO(NlogN)の直接解法として条件数の悪い問題へ適用できる。また,行列の階層構造や低ランク近似の精度に任意性があるため従来の線形代数手法と比べて自動チューニングの重要性が高い手法であるといえる。本発表では階層的低ランク近似法の最新研究動向と応用例を紹介する。


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