ATOS34

講演会・勉強会・シンポジウム

第34回AT研究会オープンアカデミックセッション(ATOS34)

日時:2026年2月27日(金)15:30~17:45
会場:山梨大学武田キャンパス A3号館(B) 5階 A3-K517室

題目:QUBO定式化されたICCG法の並列前処理

講演者:鈴木 智博(山梨大)

概要:

本報告では,疎対称正定値行列に対する反復解法である不完全コレスキー共役勾配法(ICCG法)の並列前処理を,Quadratic Unconstrained Binary Optimization(QUBO)として定式化する枠組みを提案する。まず,ICCG法における代表的な並列前処理である multi-coloring(MC)法を,グラフ彩色問題としてQUBOにより定式化し,色数削減および並列性の観点から評価する。さらに,ノードをブロック化した後にブロック単位で彩色を行う block multi-coloring(BMC)法について,ブロック化部分をQUBOとして定式化し,生成されるブロック構造の特性およびICCG法への影響を分析する。これらの結果を統合し,QUBO定式化に基づく並列前処理が,色数削減による並列性向上と収束特性との関係にどのように影響するかを明らかにすることを目指す。本報告は,QUBOを用いた組合せ最適化により,ICCG法の並列前処理設計を体系的に扱うための基礎的知見を与える。

題目:量子アニーリング×自動チューニング:性能パラメタ最適化手法の提案

講演者:片桐 孝洋(名大)

概要:

量子アニーリングは組合せ最適化問題に対する有望な計算手法として注目されている一方 で、その実性能は解の品質に影響する性能パラメタの設定に大きく依存するという課題を 抱えている。この性能パラメタは問題ごとに最適値が異なり、従来は専門的知識や経験に 基づく試行錯誤により調整されてきたため、運用上の負担や再現性の低さが問題となって いた。この一方で、ソフトウェアにおける性能パラメタの自動調整を扱ってきた、ソフト ウェア自動チューニング(Software Auto-tuning, AT)という研究分野がある。 本講演では、量子アニーリングにおける性能パラメタ調整問題をATにより解決する方法を 紹介する。具体的には、コヒーレントイジングマシンにおける性能パラメタチューニング 問題を紹介し、実行結果から得られる情報を用いてパラメタ探索を行うことで、人手によ る調整を不要とするATを、ATツールの1つであるOptunaを用いて実装する方式について紹 介する。実験結果を通して提案手法の有効性を示すとともに、量子アニーリングの実用化 に向けたATの可能性と今後の課題について議論する。

題目:量子アニーリングの行列計算への応用の試み:対称行列の近似的ブロック対角化

講演者:山本 有作(電通大)

概要:

対称行列Aに対して行と列の対称置換を行い、できるだけブロック対角形に近づける問題を、近似的ブロック対角化と呼ぶ。近似的ブロック対角化は、固有値問題の解法であるブロックヤコビ法の前処理や、FMO法におけるハミルトニアン行列の分割などの応用を持つ。本講演では、近似的ブロック対角化問題をQUBO(Quadratic Unconstrained Binary Optimization)として定式化し、量子アニーリングマシンD-Wave Advantageを用いて解いてみた結果について報告する。特に、2種類のQUBO定式化法であるone-hot encodingとdomain-wall encodingの比較、得られるQUBOをD-Waveの量子ビット間ネットワークであるペガサスグラフに埋め込む手法、リバースアニーリングの効果などについて、D-Waveでの実験結果を紹介するとともに、量子アニーリングマシン利用にあたっての課題を整理する。

参加申込:

参加される方は以下のURLから参加登録をお願いします。

https://x.gd/30TrV


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