第14回 自動チューニング技術の現状と応用に関するシンポジウム(ATTA2022)

14th Symposium on Automatic Tuning Technology and its Application (ATTA2022)
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概要

 自動チューニング(Automatic Tuning:AT)は,ソフトウェアに自らを最適化する機能を組み込むことにより,多様な環境において優れた性能を実現することを目指すパラダイムです.省電力と高性能の両立が重要な課題であるスーパーコンピュータから携帯端末まで,あらゆる分野の情報処理に適用できる技術となるよう,研究が進められています.
 自動チューニング研究会では「自動チューニング技術の現状と応用に関するシンポジウム(ATTA)」と題して,自動チューニングに関係する研究プロジェクトの最新の研究成果を報告し,その応用と将来の研究展望を議論する場として,誰でも参加可能なシンポジウムを例年開催しております.今回で14回目となるATTA2022では,例年通り研究会員による自動チューニング関連の研究プロジェクトからのご講演に加えて,次世代スーパーコンピュータに向けた自動チューニング技術の展望について,業界を代表する研究者によるパネルディスカッションを検討しております.自動チューニング技術およびスーパーコンピューティング・高性能計算の最新動向にご興味のある多くの皆様のご参加をお待ちしております.

プログラム

10:30-10:40 オープニング
滝沢寛之 (自動チューニング研究会主査・東北大学)
10:40-11:10 講演1「BLR-QR on GPU:マルチインスタンスGPUを用いた多数の小密行列計算の高速化」
大島聡史(九州大学)
講演概要
GPUの高い計算性能は膨大な数の計算コアによる並列計算によって支えられているため、長大な並列化可能ループを持たないプログラムでは十分な性能を発揮できないケースも多い。行列計算の分野ではbatched計算によりこの問題を解消しつつあるものの、これを用いるにはプログラムの大幅な改変が必要なことが多いことが課題となっている。そこで本研究ではマルチインスタンスGPU機能を用いた解決に取り組んでいる。本講演ではBLR行列のQR分解への適用事例を紹介する。
11:10-11:40 講演2「計算・データ・学習」融合を推進する革新的基盤ソフトウェア「h3-Open-BDEC」
中島研吾(東京大学/理化学研究所),岩下武史(北海道大学),八代尚(国立環境研究所),長尾大道(東京大学),下川辺隆史(東京大学),松葉浩也(日立製作所),荻田武史(東京女子大学),片桐孝洋(名古屋大学) ,住元真司(東京大学),荒川隆(東京大学)
講演概要
中島等は,エクサスケール時代のスーパーコンピュータによる科学的発見の持続的促進のために,計算科学にデータ科学,機械学習の知見を導入した(計算・データ・学習)融合による革新的シミュレーション手法を提案している。本研究では,最小の計算時間・消費電力での融合の実現のために,①変動精度演算・精度保証・自動チューニングによる新計算原理に基づく高性能・高信頼性・省電力数値解法,②機械学習による階層型データ駆動アプローチ,③ヘテロジニアス環境におけるシステムソフトウェア,の3項目を中心に研究し,革新的ソフトウェア基盤「h3-Open-BDEC」として整備する。本研究は,2021年5月より東京大学情報基盤センターで運用を開始した,Wisteria/BDEC-01(「計算・データ・学習」融合スーパーコンピュータシステム)をターゲットとしている。本講演では,これまでの研究経過とともに,Wisteria/BDEC-01上での革新的基盤ソフトウェア「h3-Open-BDEC」開発状況について,「計算・データ・学習」融合の実例とともに報告する。
11:40-13:00 昼休み
13:00-13:30 講演3「TBD」
八杉昌宏(九州工業大学)※オンライン発表
講演概要
TBD
13:30-14:00 講演4「ジョブスケジューリングのデジタルツイン化と自動チューニング」
滝沢寛之 (東北大学)
講演概要
ジョブスケジューラには様々なパラメータがあり、その設定は利用率や消費電力に大きな影響を与える。しかし、パラメータ調整が運用状況に与える影響は自明ではない。しかも、運用中のシステムのパラメータを容易に変更することはできず、試行錯誤でのパラメータ調整も困難である。このため、本研究課題はジョブスケジューラの挙動を忠実に再現する「デジタルツイン」を構築し、それに基づいてパラメータの自動チューニングを実現することを目的としている。
14:00-14:10 休憩
14:10-14:40 講演5「数値計算ライブラリの自動チューニングにおけるXAI」
片桐孝洋(名古屋大学情報基盤センター)
講演概要
説明できるAI(XAI)が人工知能分野で注目されている。特に、科学技術におけるXAIはscientific XAI (sXAI)と呼ばれている。本講演では、数値計算ライブラリの自動チューニングにAIを採用する場合におけるsXAIについて、いくつかの適用事例を示し、かつ、XAIの妥当性を評価した結果について紹介する。
14:40-15:10 講演6「Krylov部分空間法における低精度演算・データの活用に向けて」
深谷猛(北海道大学),Yingqi Zhao(北海道大学),岩下武史(北海道大学)
講演概要
最新のGPUにおける低精度演算性能の強化等を背景に,線形計算アルゴリズムにおける低精度演算・データの活用に関する研究が活発に行われている.本発表では,代表的なKrylov部分空間法の一つであるリスタート付きGMRES法を対象に,我々が実施している低精度演算・データの活用の試みを紹介する.加えて,これまでに得られた実験結果を踏まえて,その他のKrylov部分空間法における低精度演算・データの活用の可能性についても言及・検討する.
15:10-15:20 休憩
15:20-15:50 講演7「疎行列ベクトル積における低精度データ表現の導入について」
椋木大地(理化学研究所)
講演概要
疎行列ソルバーの核となる演算である疎行列ベクトル積(SpMV)は,演算精度に関して高精度から低精度までさまざまな実装の需要がある.SpMVは演算密度が低い演算のため,データ精度の低精度化による高速化や,内部演算の高精度化を低オーバーヘッドで実現できる可能性がある.本講演ではSpMVにおいて行列・ベクトルのデータ精度と演算精度を細かに変更した場合の性能について議論する.さらに疎行列ソルバーにおいて混合精度SpMVの適用を自動化する手法について検討する.
15:50-16:20 パネルディスカッション1「"Next Fugaku"に向けた自動チューニング技術」(1)
モデレータ:片桐孝洋(名古屋大学情報基盤センター),パネリスト:今村俊幸(理化学研究所),岩下武史(北海道大学),中島研吾(東京大学/理化学研究所),他調整中…
講演概要
スーパーコンピュータ「富岳」に続く次世代スーパーコンピュータに向けた自動チューニング技術の展望について,業界を代表する研究者を招きパネルディスカッションを行います(1/2).
16:20-16:30 休憩
16:30-17:00 パネルディスカッション2「"Next Fugaku"に向けた自動チューニング技術」(2)
モデレータ:片桐孝洋(名古屋大学情報基盤センター),パネリスト:今村俊幸(理化学研究所),岩下武史(北海道大学),中島研吾(東京大学/理化学研究所),他調整中…
講演概要
スーパーコンピュータ「富岳」に続く次世代スーパーコンピュータに向けた自動チューニング技術の展望について,業界を代表する研究者を招きパネルディスカッションを行います(2/2).
17:00-17:10 クロージング
椋木大地(自動チューニング研究会交流促進委員幹事・理化学研究所)

お問い合わせ:椋木 大地(理化学研究所) E-mail: daichi.mukunoki あっと riken.jp
「あっと」を半角@に変換してください.


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