第16回 自動チューニング技術の現状と応用に関するシンポジウム(ATTA2024)

16th Symposium on Automatic Tuning Technology and its Application (ATTA2024)

概要

 自動チューニング(Automatic Tuning:AT)は,ソフトウェアに自らを最適化する機能を組み込むことにより,多様な環境において優れた性能を実現することを目指すパラダイムです.省電力と高性能の両立が重要な課題であるスーパーコンピュータから携帯端末まで,あらゆる分野の情報処理に適用できる技術となるよう,研究が進められています.
 自動チューニング研究会では「自動チューニング技術の現状と応用に関するシンポジウム(ATTA)」と題して,自動チューニングに関係する研究プロジェクトの最新の研究成果を報告し,その応用と将来の研究展望を議論する場として,誰でも参加可能なシンポジウムを例年開催しております.今回で16回目となるATTA2024では,例年通り研究会員による自動チューニング関連の研究プロジェクトからのご講演に加えて,昨年に引き続き近い将来のスーパーコンピュータ環境に向けた自動チューニング技術の展望に関するパネルディスカッションを検討しております.自動チューニング技術およびスーパーコンピューティング・高性能計算の最新動向にご興味のある多くの皆様のご参加をお待ちしております.

プログラム

10:30-10:40 オープニング
大島聡史(自動チューニング研究会 主査・九州大学)
10:40-11:10 講演1 自動チューニング技術の量子コンピューティングへの展開 ~HPC-Centric Quantum Computingを目指して~
片桐孝洋(名古屋大学)
講演概要
本発表では、自動チューニング(AT)技術の量子コンピューティングへの展開について述べる。現在、誤り訂正可能な量子コンピュータFTQCが開発されてはいるが、その実用化は10年以上先になる。そこで我々は、FTQC実用化までの間、スーパーコンピュータに代表されるHPC技術、量子コンピュータ実機、およびGPUによる量子回路シミュレータの利活用が必須になると考えている。この量子古典ハイブリッド計算環境を、HPC-Centric Quantum Computing環境と呼ぶ。本発表では、AT技術による量子関連技術の性能改善事例を紹介し、将来展望を述べる。
11:10-11:40 講演2 AI for Science:「カプラ」を通してソフトウェアの持続可能性を探究する
中島研吾(東京大学/理研R-CCS) ,住元真司(東京大学),胡曜(東京大学),山崎一哉(東京大学)
講演概要
「カプラ(Coupler)」は本来,大気と海洋。構造物と流体など複数のシミュレーションモデルを結合するためのツールです。近年,コンピュータ システムとワークロードはより多様化しており,スーパーコンピューティングにおけるカプラの役割はより重要になってきています。本講演では,カプラの「歴史」に焦点を当て,ソフトウェアの持続可能性を探求します。
11:40-13:15 昼休み
13:15-13:45 講演3 富岳nextに向けた数値計算ライブラリ調査状況について
今村俊幸(理研R-CCS)
講演概要
富岳ネクスト開発に向けて進めている、数値計算ライブラリの現状調査についてFY2022, 2023の報告書に基づいてその概要と展望を報告する。
13:45-14:15 講演4 ワークフローエンジンとの連携に基づく臨機応変なジョブスケジューリングの実現
滝沢寛之(東北大学),片桐孝洋(名古屋大学),佐野健太郎 (理研R-CCS)
講演概要
次世代HPCシステムは外部と接続され、その状況は時々刻々と動的に変化する。このため、時々刻々と変化する状況下で多様なワークフローに対して適切な計算資源を臨機応変に割当て、効率よく実行するための研究プロジェクトを開始した。本講演では、その研究プロジェクトの概要と今後の展望について述べる。
14:15-14:45 講演5 国内外の生成AIの開発状況
横田理央(東京科学大学)
講演概要
2022年末にGPT-4が発表されてから約2年が経とうとしているが、生成AIの熱が冷める兆しはない。本講演ではここ数年の国内外の生成AIに関する取り組みを振り返りながら、ポイントとなる技術について解説する。また、これからのAI for Scienceに関して取り組むべき内容についても提言する。
15:00-15:30 講演6 耐障害性に優れた並列実行モデル向けコヒーレント乱数利用手法の検討
八杉 昌宏(九州工業大学) ※オンライン発表
講演概要
我々は「冗長計算を階層的に省略」に基づく並列実行モデルHOPEを提唱している.どのHOPEワーカも分割統治における全範囲を異なる順序で担当しつつ,実行時に他ワーカから結果を得た部分の計算は省略し,全体として障害耐性も並列効率も高める.本研究では,分割統治の各部分について同じ乱数列が一貫して用いられるよう,乱数列の一部をスキップ可能で内部状態を複製可能な乱数生成器を利用したコヒーレント乱数利用手法を探求する.
15:30-16:00 講演7 未定
深谷猛(北海道大学)
講演概要
未定
16:10-17:40 パネルディスカッション「「富岳」Next時代のアクセラレータに向けた自動チューニング技術(仮)」
モデレータ:調整中,パネリスト:調整中 
概要
調整中
17:40-17:45 クロージング
桝井晃基(自動チューニング研究会 交流促進委員幹事・大阪大学)

お問い合わせ:桝井 晃基(大阪大学) E-mail: masui あっと ist.osaka-u.ac.jp 「あっと」を半角@に変換してください.


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