*自動チューニング研究会(Automatic Tuning Research Group; ATRG)について [#sff204ad]

**研究会の概要 [#afbe704e]
自動チューニング研究会は,日本国内の自動チューニングに関する研究を加速することを目指して,2003年に設立されました.2010年度まではクローズドな研究会として活動して参りましたが,2011年にオープンな新体制に移行し,現在では大学,国立研究機関,民間企業の研究者を中心として,多数のメンバーにより活動を行なっております.自動チューニングにご興味をお持ちの方々に広く情報を発信し,研究成果を持ち寄って議論を深める場を提供することで,自動チューニングに関する学術と技術の発展に貢献いたします.

//-[[主査 (滝沢寛之・東北大学) からのあいさつ:https://atrg.jp/ja/index.php?plugin=attach&pcmd=open&file=shusa_remark.pdf&refer=%E8%87%AA%E5%8B%95%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A]](PDFが開きます)

**研究会への参加 [#t06050b8]
研究会への参加につきましては[[お問い合わせ]]よりご連絡ください.2021年時点で会費は徴収しておりません.自動チューニングに関する国内外のイベント情報等を自動チューニング研究会の[[メーリングリスト]]で配信しております(会員でなくとも受信できます).

**自動チューニングとは [#wf13ca33]
自動チューニングとは、広義には「自動的に性能をチューニングすること、あるいは、性能チューニングの自動化」と定義されます。この場合、<性能>は計算機(対象マシン)の計算速度に限定しません。例えば、ネットワークを対象とすれば通信速度が性能となります。計算と通信の両者を含んだシステム性能として応答速度も性能になります。速度以外にも、記憶量、消費電力量、信頼性など、性能基準が決まるものであれば、自動チューニングの枠組みに含まれます。また、<自動>は機械による学習(マシンラーニング)を意味しますが、人間の介在を否定するものではありません。

一方、狭義には、適用分野ごとに異なる定義があります。例えば、数値計算分野においては、「応用プログラム(アプリケーション)の性能向上をもたらす自動的な性能チューニング」を意味します。対象マシンへの問題の自動的な最適写像といえます。この定義は、異なる対象マシンに対しても高性能が得られるように、与えられた応用プログラムをチューニングする過程を自動化することから始まっています。つまりは、人手による性能チューニング作業の自動化が原義です。


** 主査からの挨拶 [#p2246b05]

ムーアの法則に基づくプロセッサの演算性能の向上が終わりつつある今日ですが、様々な「工夫」によってその性能は引き続き向上しています。
しかし様々な「工夫」が行われているがために、共通のプログラム最適化が難しくなってきてしまいました。
同じソフトウェアを高速化するにしても、あるハードウェア(実行環境)における最適化はこうだが、
また別のハードウェア(実行環境)における最適化はまた違う方法、ということは最早珍しくありません。

ソフトウェア性能自動チューニング(software performance auto-tuning, AT)は、
そのような状況においてより優れた性能をより低い労力で行えるようにする技術です。
自動チューニング研究会(AT研究会)は、それらの技術を研究したり利用したりする研究者や技術者が
情報交換や議論を行うコミュニティとして発展してきました。
初期のメンバーは数値計算分野の会員が特に多かったですが、
AT技術の適用範囲が広がるにつれて会員の構成も多様になってきています。
ATのカバーする範囲も会員層も、さらに広がる余地があると私は考えています。

私は研究者として活動を始めてあまり経たずにAT研の会員となりました。
それから10年余、近い研究分野の先輩方と近い距離で交流できる場として活用させていただいています。
主査としては、より若い研究者の力になれるように引き続き活動させていただきたいと思います。

新型コロナウィルス感染症の影響で研究コミュニティやイベントの在り方もだいぶ変わりました。
リモートでの会議やイベント参加により便利になったこともあれば、
逆に強いつながりが持ちにくくなってしまったということもあるでしょう。
AT研では引き続きハイブリッドなイベント実施を中心として、
AT技術に興味のある方であれば老若男女問わず誰でも交流できる場を提供していく予定です。
AT研会員の皆様も、まだ会員でないが興味を持っていただいた皆様も、
今後ともご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

2024年4月~
大島聡史 自動チューニング研究会 主査 / 九州大学 情報基盤研究開発センター 准教授



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